町街さがし
Vol.14「牛込柳町」
筆者、柳町が都心で一番気になっていた駅名の地「牛込柳町」についに来てしまいました。別に縁も所縁もない初めて降り立った地ですが愛着ありまくりです。
自分の名字は「ヤナギマチ」ですが、ここは「ヤナギチョウ」であります。自分で見ても書いていても実にややこしい感じになってきました。
大きめな交差点側では無い西口から地上へ出てみた。うん、質素だ。都内っぽさが微塵も感じられないローカル感が良い。そして隣はいきなり瑞光寺がドーンとある。二回言うが都内っぽさ皆無な駅感だ。
とりあえず瑞光寺さんの横道からひらけている方に小道を入ってみる。とにかく秋晴れで気持ちがよく見晴らしも新宿区とは思えない感じでナイス。角を一つ曲がると墓地が見えてきた。そういうことですよね。でも墓地があるあたりは地盤がしっかりとしているというし静かだから生活しやすいイメージがあります。墓地を抜け緩やかな坂と階段を抜けて振り返ると瑞光寺参道と石標があり、周りには下町感残る住宅街に。
下町情緒溢れまくりな路地から路地を散策していると、いきなり井戸に出くわしました。声にはならない小声で「ヤベー、チョー江戸感!」とテンションが上がり、井戸を写真撮りまくってしまいました。なんというか言い方が悪いかもしれませんが墨田区、江東区の地区よりかほんのりと路地裏に品があるように感じてしまいました。そしてその井戸から離れてみるとその井戸がある前は「IDO BISTRO」という看板が、これはかなりな美味しさに間違いなさそうです。この時はタイミング合わずだったのでいつかきっと再来したいです。
住宅街から大通りに出るとすぐに牛込柳町駅南東口がありました。そして近くの交差点には市谷柳町の地名が。やはりだいぶ気になっていたので「牛込柳町」、「市谷柳町」の地名を調べてみました。やはり厳密には牛込柳町という地名はなく旧牛込区(新宿区の前身の一つ)の南側を市谷と言い、この地域には江戸時代から柳の木が多かったことから市谷柳町、牛込柳町などと呼ばれていてこの駅名となる呼ばれ方が残っていたとのことです。
そんなことを交番付近で調べていてフト顔を上げると目に前には柳町病院が。読み方は違いますが自分の珍しい名字が目の前にある違和感、しかもそれが病院だと尚更ですね。人生であまり味わったことの無い感情が込み上げてきました。笑
著_柳町唯
1993年〜1996年AJSA公認プロスケーターとして活動。その後はスケートボード専門誌、ファッション誌、カルチャー誌などで編集/ライターとして活動。2012年には自身のスケートボードキャリアを活かしたブランドSNAKE PORNO通称スネポルを立ち上げる。2019年9月に自身初となる短編青春小説「Big Pants -スケートボード is 素敵-」をHIDDEN CHAMPION発行の元、星雲社より発刊。2020年にはスネポルからブランドをBACANCES ALLINCULSIVEに移行し運営。
小説Big Pants_ http://shop.hidden-champion.net/?pid=145235531