町街さがし
Vol.13「大崎広小路」
JR五反田駅から池上線で1駅目な大崎広小路。その昔は五反田〜大崎広小路間は開通しておらずJR乗り換えの際は大崎広小路駅から五反田駅まで歩いていたというほどの近距離。電車に揺られる雰囲気もなく五反田から池上線に乗り込み本当に数十秒で到着。
こじんまりとした何処にでもあるような駅感満載でなんだか落ち着きます。そして通りを挟んで反対側の五反田駅方面を見ると何やら高架下に真新しめな商業施設が。
通りを渡り近くへと、これはかなりな中目の高架下感が漂うイマっぽい雰囲気。表札的な看板があったのでそちらを確認しに。
五反田高架下という名前で五反田駅〜大崎広小路駅の間の高架下を6区間で区切っている商業施設。やはり気になっちゃたので、ちょっとiPhoneさまでお調べを。ふむふむ、やはり中目の高架下を仕掛けた人がこちらも手がけているワケですね。なんだか自分の勘の良さに嬉しくなりちょいと周辺を散策。
八百屋さんに自転車屋さんにコインランドリーに焼きとん屋さんにと、オッさんがワクワクする要素も抑えた高架下は魅力満点。気付いたら五反田駅の方まで…
こりゃいかん、今さっき五反田駅から池上線に1駅乗って大崎広小路に来たのに戻ってしまっている。大崎広小路駅方面に戻らねば、戻らねば、と気を取り直して大崎広小路駅前に戻りあたりを散策することに。
良いですね〜。銭湯のある街って♫ 人の暮らしが垣間見れて安心します。そして大通り沿いにあるからかビルディング形式な現代風な面持ちもナイスです。
そのまま並び沿いには警察署が。どちらかというとこういった感じな並びの方が繁華街的な街よりも町感が増している気がして自分は好きです。
そのまま警察署の横の登り坂を上って見ることに。
少し上っていくと立正大学品川キャンパスが見えてきました。そうかここらは品川エリアになるのかー。と思いながら校舎沿いの坂をさらに上っていくことに。なんせ坂を上ってきてしまった手前、戻るのもアレだし大学の敷地が終わるまで横道も無いので…。
大学の敷地が終わると同時に道も平坦になり閑静な住宅街が広がってきました。そしてふと路地先の駐車場に目をやると、よそ者が来たとばかりにこちらを観察する様な視線を送ってくる子猫2匹が。良いですね〜、町の温もりを感じます。ちょっと近づいてみたらすぐに横の家の庭先に逃げてしまい、目で追っていくと長閑な一軒家が佇んでいてその庭で先ほどの2匹がくつろいでいました。
猫がいた路地とは反対方向の道へ入っていくとすぐにクリーニング屋さんが、そうそうクリーニング屋さんが住宅街の中にあるのも自分的にはポイント高いんですよね。全くなんのポイントかわかりませんが、笑。そして昔ながらの玄関共同なアパートも立ち並びノスタルジック感マックスです。
今来た道を振り返ると住宅街の向こうに大きく大崎のオフィス群が見え、ここが都内なんだなーと、さっきまでのノスタルジック感から引き戻されます。そして先の路地で右へ曲がり来た道とは違う坂を下りていき、その先には池上線が見えてきて心地よい線路を通る電車の音が住宅街に響いてきました。
著_柳町唯
1993年〜1996年AJSA公認プロスケーターとして活動。その後はスケートボード専門誌、ファッション誌、カルチャー誌などで編集/ライターとして活動。2012年には自身のスケートボードキャリアを活かしたブランドSNAKE PORNO通称スネポルを立ち上げる。2019年9月に自身初となる短編青春小説「Big Pants -スケートボード is 素敵-」をHIDDEN CHAMPION発行の元、星雲社より発刊。2020年にはスネポルからブランドをBACANCES ALLINCULSIVEに移行し運営。
小説Big Pants_ http://shop.hidden-champion.net/?pid=145235531