町街さがし(グルメ編)

「来福亭」

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西洋料理 来福亭。こじんまりとした二階建ての建物にデカデカとその看板が掲げられていた。気にならないと言ったら嘘になる。とにかく近くに行って様子を見てみることに。

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凄く良い、たまらない。毎回思うのだが下調べも何もしないで、こういったお店に出逢える自分はなんて幸せ者なのだろうか、全く中の様子が見えない店内にドキドキとしながらか引き戸を開けた。

店内は4人掛けが2つほど、想像よりもかなり狭い。席に着きメニューを見渡す。

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おすすめメニューのメンチカツオムライスを注文。テーブルにはお茶、おしぼりなどが運ばれる。おしぼりは暑く、お茶は美味しい。これはかなり期待出来るお店だと確信する。そしてこの四人掛けテーブルはかなり狭い。実際は対角線で二人掛けな感じになりそうだ。奥の厨房からメンチカツを揚げる音が聞こえてきて自ずと自分の喉もなる。

少ししてサラリーマン二組みが入店、どこにどう座るのかな?と思っていたらおもむろに靴を脱ぎ出し「二階平気?」と聞いてから上がっていった。どうやら2階は座敷席になっているようだ。凄く二階が気になる。というかこのお店の間取りが凄く気になる。

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すると自分の真後ろに座ったご婦人に料理が運ばれてきた「はい、ホタテソテーお待ちどうさまです」と、なに?物凄く気になるメニューだ。さっき自分のメンチカツが揚げられていたと思っていた音はホタテをソテーしていた音だったっぽい。真後ろすぎてホタテソテーの全貌が見えなくて悔しい。ちょっと座り位置を直すふりをして盛大に振り返ってホタテソテーを目視した。

おお、ホタテソテーさん丸々ゴロゴロってなタイプでしたか。しかも醤油バターな面持ちで、これはこの来福亭さんかなり奥が深そうだ。

と、そんなこんなしていると自分が注文したメンチカツオムラオスが登場。

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これはパーフェクトだ。このお店の名に恥じない西洋料理だ。オムライスに乗ったグリーンピースなんか文明開化の味がしてきそうだ。付け合わせのキャベツにソースをかけていざ実食。オムライスのケチャップライスの良い塩梅から、かなりな歴史を感じる。そしてチキンの分量とゴロゴロ感も完成しきっている。そしてメンチカツは食べやすいように三等分に切られていて来福亭さんの優しさを感じながら口へと運ぶ。「!!!」まさに3ビックリなほどなキメの細やかさなメンチは優しい口当たりからのしっかりとした肉汁な安定感。主役っぽさを漂わせておきながらもしっかりと主役のオムライスを目立たせる名脇役。これはもうスタンディングオベーショな美味さだ。

俺は一口食べるごとに無言で頷きながら無我夢中で明治、昭和、平成、令和とこの来福亭さんが駆け抜けた時代というスパイスを肌で感じながら完食させてもらった。そこにはハイカラであって粋を感じる江戸の西洋料理のなんたるかを深く感じさせてくれたんだ。

 

(注)この取材は緊急事態宣言が発令された前日4/6に行っております。

 

【店舗情報】
来福亭
住所/東京都中央区日本橋人形町1-17-10
営業時間/
月〜金11:30〜14:00 17:00〜21:00(LO 19:30)
土 11:30〜14:00
定休日/日・祝

 

著_柳町唯
1993年~1996年AJSA公認プロスケーターとして活動。
その後はスケートボード専門誌、ファッション誌、カルチャー誌などで編集/ライターとして活動。
2012年には自身のスケートボードキャリアを活かしたブランドSNAKE PORNO通称スネポルを立ち上げる。
2019年9月に自身初となる短編青春小説「Big Pants -スケートボード is 素敵-」をHIDDEN CHAMPION発行の元、
星雲社より発刊。

スネポルHP_ https://sp-wheels.com
柳町唯 VHSmag インタビュー_ https://www.vhsmag.com/features/yuh-yanagimachi/
2020-05-14 | Posted in 町街さがし(グルメ編)No Comments » 
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