町街さがし

Vol.06「八丁堀」

地下鉄の駅を上がり地上に出る。この瞬間はいつもドキドキする。知っている街でもたまに出たい場所と違ったりするから、知らない街では尚更ドキドキする。

地上に上がり最小限の動きで周囲をチェックするかのようにキョロキョロとし、とりあえずいつもだが左へと歩いてしまう。人間としての習性で左回りの法則というのがあるらしく実際に立証されているみたいだ。やはり毎度左へ曲がってしまってからこのことを思い出しなんか悔しくなる。

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だが今回は左に回って歩き出すと同時の桜並木が見えてきた。これは正解な道筋だと勝手に解釈し、そのままその遊歩道へと吸い込まれていった。桜並木が続く遊歩道を抜けるとそこに何やらそのまま道筋は続いているようだがよく分からない建物へとぶつかった。

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中央区立女性センター入り口と中央区立桜川屋上公園入り口とハーフ&ハーフで1階と2階に別れている入り口がある建物に出くわした。

まぁ、とりあえず悩むまでもなく中央区立女性センターでは無い方を選び2階へと階段を上がった。

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全く想像していなかった公園感100%な空間がそこにはあった。ちょっと戸惑ってしまいベンチに腰をおろしiPhoneでこの場所をwebでちょっと調べてみた。何やら水道局の屋上スペースの有効活用として人工地盤の上にある公園らしい。人工地盤とやらが物々しいが要するに屋上なのに結構しっかりとした地面ってことのようだ。確かに見渡してみると池もあるしゲートボール場もある。かなり本気度の高い公園だ。そして左右をマンションと水道局の建物に挟まれていて面白い景色だ。

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そしていきなり都心に現れた屋上公園の風情を楽しみ公園を抜けるとそこには川が。良い、良い流れだこりゃ。と何故か川をみるとテンションが上がってしまう自分を冷静に落ち着かせ今回は左回りの法則にならないように意識しながら川を右手の方に歩いていった。

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川沿いをぼーっと歩いていたら隅田川にぶつかった。思わず地図をみて場所を確認してから川沿いの遊歩道におりた。やはり隅田川は良い。なんていうかカッコイイのだ威風堂々と川としてのなんたるかを感じさせてくれる。

HCB・・

そのまま上流へと少し歩くと水門が見えてきた。テンションの上がってきている自分は是非とも水門を近くで見たいと遊歩道から上がりまた八丁堀の街並みを歩いた。そこには忘れかけていたような下町の情緒ある街並みが残っていた。

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DNAに染み付いている何かを感じながらタバコ屋さんって角にあるよなー。と思い水門が見えそうな小さな橋を目指した。

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著_柳町唯
1993年~1996年AJSA公認プロスケーターとして活動。
その後はスケートボード専門誌、ファッション誌、カルチャー誌などで編集/ライターとして活動。
2012年には自身のスケートボードキャリアを活かしたブランドSNAKE PORNO通称スネポルを立ち上げる。
2019年9月に自身初となる短編青春小説「Big Pants -スケートボード is 素敵-」をHIDDEN CHAMPION発行の元、
星雲社より発刊。

スネポルHP_ https://sp-wheels.com
柳町唯 VHSmag インタビュー_ https://www.vhsmag.com/features/yuh-yanagimachi/
2020-04-09 | Posted in 町街さがしNo Comments » 
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