町街さがし

Vol.10「神保町」

千代田区神保町。出版と書店が多く、いわば本の町として有名すぎる町。

電車を降り神保町駅のホームで地上の何番出口に出るべくか案内板を見る。古書店街と丁寧な案内が書いてある。英語ではSecondHand Books Areaでまんまだな、と思いながらA5出口を目指した。

地上出口を出て駅を振り返ると、書店さんと書店さんの間に駅の出口が挟まれているという本の町の名に恥じない並びに1人感心してしまいました。とりあえず裏道に入って見るかと、一本目のこれまた書店さんと書店さんの間の路地に入ってみることに。

まさかの路地にも本がびっしりと並んでいるとは…、流石は本の町。規模が違いすぎる。

野外の本棚を目の前にすると本当にここが路地なのかわからなくなる錯覚におそわれる。そしてやはり野外なので風通しがよく気持ちが良い。しかし雨天の時などはどうなんだろか？といらぬ心配もしてしまう。

なんとその先の角を曲がっても自動販売機同様なテンションで本棚が並んでいました。棚上の現場シートから予想するに閉店時はシートをかぶせてあるだけのようですね。単純にスゲー！と高度経済成長の勢いの残り香というかそのような雰囲気を勝手に感じさせてもらいました。

そのまま路地を抜けていく梅雨時とは思えない晴天が気持ち良く広がっている交差点に雰囲気のある面持ちな建物が。やはりこういう文化のある町にはこういう建物が似合うなーとしばし色んな角度から眺める不審者な自分。

建物探訪かのごとく外観だけをしばし御探訪してから大きな通りへと出た。

集英社と小学館の建物がこの本の町に堂々と鎮座していた。流石な面持ちであるこの町にあることは知っていたがこうも真正面からまじまじと見る機会もないのでちょっと感動してしまった。

こういった出版社のお膝元に古本屋が沢山あるという町の成り立ちの流れを色々と考えながら、通りに数多くある古本屋さんの軒並みを見ながら少し歩いた。

どの書店も得意分野を持っていて細分化されていた。しかしわかってはいたが物凄い数の本が世の中には出回っている。はたして自分は死ぬまでにあと何冊の本を読めるのだろうか。と思いながら今回の本の町神保町での最終目的地にたどり着いた。

小宮山書店さんはその界隈ではかなり有名な古本屋さんであり、４階までに分けられた6つのフロア毎にジャンル分けされていてなかでも中3階の美術、デザイン系の本や4階のショールームの品揃えはかなり人気である。

自分はこの日は店舗裏側のガレージにて行われていた文字通りなガレージセールでデザイン関係の本を3冊500円で9冊ほど購入させてもらった。もちろん図鑑のようなサイズなので重すぎて持って帰れそうも無いので郵送にしてもらったが、送料の方が本の金額よりも高くついてしまうという古本あるあるになってしまった。