町街さがし
Vol.11「錦糸町」
古くから東京都の東の玄関と言われている繁華街錦糸町。筆者にはちょっと所縁のある街でもあったりする。
駅ビルが「TERMINA」。未だに超マイナーな駅ビル。流石だ錦糸町。
思い起こせば祖父母が営んでいた駄菓子屋さんが隣駅にあったので幼少期からかなりの頻度で来ている街だ。ちょっとした外食や祖父が駄菓子問屋に仕入れに行く自転車に一緒に乗り行き来したりもしていたので思い出深い。そのような話はまた隣駅の街をブラついた時にでも書かせてもらうとしようかな。
駅前のバスターミナル横に魚屋さんがあります。駅ビル内のテナントなんか足元にも及ばない活気で下町感全開です。
そして駅前の京葉道路を挟んでマルイがあります。ちょうど良い。錦糸町みたいな繁華街にはマルイがよく似合う。これは持論ではありますが、その昔マルイのカードは審査が通りやすくこういった繁華街に進出してきたと思っています。バブル期後期にはみんなマルイのカードでDCブランドのスーツを買っていたとかいないとか…。
マルイの裏手の通りに出るとこれモンな風景が広がります。雑多として落ち着く昭和感。古き良きとは程遠いが生き抜く力を感じます。赤提灯に「一番安い店」と書ける自信は凄まじい企業努力がなせる技だと人は言う。
その赤提灯のお店が入っている建物は2階以上は住居物件となっております。その入り口のセキュリティーがこれまた凄いのひと言ですね。監視カメラの縦起き2台使い。どちらも本物であることを祈りたいです。
そしてマルイの裏通りを抜けるとそこにはWINSが鎮座しております。この日は平日だったので閉まっていましたがレースのある日にはこの裏通りは昼間っから飲んだくれが出没し活気溢れています。そんなWINSから錦糸町駅の方を見ますと、そっと僕らを見守るような感じでスカイツリーが見えます。
スカイツリーは飲んだくれの方々が、自分の現在地位置を確認し帰路を目指す方向の道しるべとして、その昔は北斗七星など星の位置で確認していたが現代ではスカイツリーがその役目を果たしているとの噂です。はい。
京葉道路を歩道橋を歩いて渡っていく。マルイの斜め前にはパルコと映画館が、チョー都会っぽい錦糸町。東の玄関口は伊達じゃないですね。
錦糸町駅の北口側に出て物凄く綺麗な公園からスカイツリーを見る。同じスカイツリーでも駅の南口から見たモノとじゃこんなにも印象が違うのかと驚きを隠せない。最近の下町ではどこもそうだが錦糸町にもタワーマンションかー。と、この公園が明治期は兵器庫として大戦中は仮埋葬地として使われていたことなど誰も知らないかのようにのんびりと平和な時間が流れていました。
著_柳町唯
1993年〜1996年AJSA公認プロスケーターとして活動。その後はスケートボード専門誌、ファッション誌、カルチャー誌などで編集/ライターとして活動。2012年には自身のスケートボードキャリアを活かしたブランドSNAKE PORNO通称スネポルを立ち上げる。2019年9月に自身初となる短編青春小説「Big Pants -スケートボード is 素敵-」をHIDDEN CHAMPION発行の元、星雲社より発刊。2020年にはスネポルからブランドをBACANCES ALLINCULSIVEに移行し運営。
小説Big Pants_https://shop.hiddenchampion.jp/products/145235531