町街さがし(グルメ編)
「亀戸ぎょうざ 錦糸町店」
錦糸町マルイのすぐ裏。もはや敷地内なんじゃないかってなくらいな立地にありますこの亀戸ぎょうざ錦糸町店。そうです。あの有名な亀戸ぎょうざのお店です。筆者はこの錦糸町店が亀戸ぎょうざ界でのNo.1だと思っています。
まずはこの店頭の面持ち。気持ちが良いくらい潔い。店内のL字カウンターに合わせて全箇所が扉である。そう、何処から入店してもOKな来る者拒まずスタイルには脱帽。そしてドアが開けっ放しで空調システムなど皆無なので真夏はそれなりの覚悟が必要とされます。よく見ると自転車で来客している方の置き方もかなり適当です。これは昼間から結構飲んでいる人が店内にいることが予想され緊張が走りますね。ですが、こういった昼間から飲んでいる人がいそうなお店は安くて美味い確証が持てますよね。
さて、いざ入店。焼き場の前の席しか空いておらず物凄く暑い。だが、目の前で焼かれていく餃子を見て喉が鳴る。そして横を見ると奥のカウンターで紹興酒をやりながら餃子をつまんでいる方を確認できた。やはりあの自転車はあの方のものかと答え合わせをして、その横でビールを煽っている方を見てまた自分の喉が鳴った。ビールを飲みたい気持ちを抑えてチャーハン並(580円)と餃子(270円)を一皿注文した。
これだよこれ。もう写真をしっかりと撮る余裕もなくチャーハンを頬張った。口いっぱいにノスタルジックな昭和な味でいっぱいになった。大げさかもしれないがほんのり涙が出てきそうなほど自分には最高の味なのだ。
思い起こせば隣駅で駄菓子屋を営んでいた祖父に駄菓子の仕入れお手伝いで錦糸町について行って、その帰りにここでチャーハンを食べたのが人生初チャーハンであった。確か小学1年か2年の時である。それから自分の中で揺るぎないチャーハンNo.1の座はずっとこの亀戸ぎょうざ錦糸町店のモノなのかもしれない。
そしてカラシでいただくことで有名な亀戸ぎょうざを頬張る。パリッと薄皮な皮を突き破ってジューシーだが軽めなボリュームの餡がカラシ醤油と相まって最高のハーモニーを奏でる。そのぎょうざの肉汁ハーモニーが口に残っている間にまたチャーハンをかっこむ。あまりオススメ出来ない行儀の悪い食べ方だがこれがまた最高なのである。いい歳してこんな食べ方をまだしていると祖父が知ったらきっと静かに注意してくれるだろうなと、背後で開いている引き戸の外から蝉の鳴き声が聞こえてきた。そうだ、そろそろお盆だ。近々祖父の墓参りに行くかなと考えながら流れる汗をぬぐい。またギョウザにカラシをつけ勢いよく頬張った。
店舗情報
亀戸餃子 錦糸町店
住所/東京都墨田区江東橋3-9-1
営業時間/月〜金 11:30〜20:30 土日9:30〜18:00
定休日/年中無休
著_柳町唯
1993年〜1996年AJSA公認プロスケーターとして活動。その後はスケートボード専門誌、ファッション誌、カルチャー誌などで編集/ライターとして活動。2012年には自身のスケートボードキャリアを活かしたブランドSNAKE PORNO通称スネポルを立ち上げる。2019年9月に自身初となる短編青春小説「Big Pants -スケートボード is 素敵-」をHIDDEN CHAMPION発行の元、星雲社より発刊。2020年にはスネポルからブランドをBACANCES ALLINCULSIVEに移行し運営。
小説Big Pants_https://shop.hiddenchampion.jp/products/145235531